「まくらがほしい」

彼女はベッドに寝転んで漫画を読みながら、ぽそりと呟いた。 

「あっそ、買いに行けば」 
「えー。外暑いよ?」 
「夏だからねぇ」 
「だってさー、首痛くなんだもん」 

そんな格好で読んでるからだろ。 
言おうとして、慌てて口をつぐむ。 
前にそれを言って、殴られたっけ。 

「僕にどうしろって言うのさ」 
「わかんないけどハルならなんとかしてくれそう」 
「僕は万能じゃないよ」 
「知ってるよ、でも何とかできそう」 

目線は漫画へ向かっているのに、視線が刺さってくるような錯覚に陥る。 

「うーん。何か枕の代わりになるもの…」 
「にぶい。鈍すぎるよ、君。その腕を貸せと言っているのだよ」 
「え?……はいはい、どうぞ」 
「ふふん。ありがとう」 

得意げに鼻を鳴らし、珍しくも礼を言う。 

妙に口調が変わった(多分今のは読んでる小説の主人公か何かの口調を真似たんだろう)彼女が礼を言うのは珍しいことだった。 

「ひとつ質問なんですが。」 
「なんだね?」 
「僕はいつまでこの体勢と状況でいればいいんでしょうか」 
「私が本を読み終えるまでに決まってるだろう」 
「…今読んでる本?」 

嫌な予感が胸をよぎる。視線は自然にベッドの下に積まれている本の山へ向かう。 

「まさか。この山を読み終えるまでに決まっているだろう?」 
「やっぱり…」 

彼女が漫画を2冊、ハードカバーを1冊読み終えたところで、僕の意識は途絶えた。 



「いつまで寝てんの?」 
「・・・ん?おはよう。」 
「…そんな恰好でよく寝てられるね」 

呆れた顔で僕を見下ろす。眠い。 

「うっせージャイ子」 
「んなっ!?寝起き悪っ!」 
「おめーは読書中性格悪いだろー…」 
「まあね、っていうか!ご飯出来たんだけど食べる?」 
「……たべる」 
「じゃあ早くおいでよ」 
「んー。眠い…」 


(070809)

えー、神奈様、もといみ〜や様へ捧げモノです。
ありとあらゆる苦情はうけつけまっせーん。
これからもよろしくです☆
キリ151番でした☆