「ほいよ」


振り返った彼から、ペットボトルを投げられる。


「ありがと」

私はオレンジ色のキャップのそれをキャッチして言った。


「んにゃ、お礼言うのはこっちの方」

彼はくしゃ、と笑う。

「ありがとな。ふっきれた」


「ううん私はなんにもしてないよ。ただ、ちょっと、見やすくしただけ」

私も笑顔をつくって見せた。

悲劇のヒロイン演じてみた。



「うん、さんきゅ」

温かいココアは、なんだかしょっぱかった。


「明日、言ってみるな」

「うん、当たって砕けてきてね」

「んなっ、たとえ1%でも勝率はあるぞ?」

「敗率99%だけど?」

「お前なー…」

私は涙を堪えながら、くすくすと笑った。




「…もうそろそろ帰るか」

嗚呼、嘘だよ、

「うん」

勝率100%、彼女もあなたのこと想ってる、

「本当、ありがとな」

敗率100%なのは、私。

「うん」

嗚呼、でも、でも、

「じゃあな」


でも、





「待って!」





思いっきり出した声は白の世界に響いた。


「?」

不思議そうな顔する彼。



ああ、もう、堪えてたものが、



「好きだよ、鈍感野郎!」



こぼれ落ちちゃったじゃないか、



「好きで、好きで、たまんないよ、馬鹿」



もうぐちゃぐちゃ、

頭や心の中も、涙や鼻水出してる顔も、足元の白かった雪も、




「そっか、ありがとう」

くしゃ、と笑った彼は、びっくりするほど眩しかった。



「ちくしょう…」

彼がいなくなったあと、

土が混ざった雪に、こぼれ落ちたその言葉は、










 





後書



5000HITフリーで、悲恋ものもってくる私に6ニキータ
「しょっぱいココア」紺夜さまにだけ通じるネタ

ま、とりあえず、フリーです。
期間はカウンタが5300いくまでです。
誰も貰ってくれないとさびしいから、いらなくても持ってて下さい。



(20080203)