さぁてと、 なんて呟いてみたら、存外面白くてくつくつ笑い声が溢れてきた。 通りすがった女性が俺から一気に離れた。 (・・あーあ) これからどうする訳でもないのに、家になんて帰りたくない。 明日もきちんと仕事はあって、しかも朝からで、こんな日に限って携帯の電池はあと1個しかなくて。 「俺今日ハッピーバースデイだっつーの」 自分でごちれば、また虚しくなった。 ここまで来たら仕方がない。 ケーキを食べよう。 お店だとかペコちゃんだとか手作りだとかは期待しない、コンビニの甘くて薄い悲しい味のショートケーキ買って帰ろう。 彼女に ふられたようなんです 誕生日前にふるなんて、結構な悪女だったのか。 ふられるなんて考えてもみなかった。 いつもいつも俺はわがままで、でもそれを笑って受け止めてくれたのは彼女で、それが永遠かのように錯覚して。 3日前、誕生日の夜は仕事を早めに終わらせてもらえるようになったから食事に行かないかと誘ったところ、 絶対行かない!と書いたメールが一通届いて、女々しくも俺はその日から返信できなくて。 (もし)(メールで別れ切り出されたら)(とか考えてしまう・・) 「・・・うそだろ」 コンビニの薄くて悲しい味のするケーキすら売り切れていました。 そんな俺のひとりぼっちのロンリーバースデー 来年こそ彼女と過ごしたいぜ★ 〜完結〜 (お わ れ る か) あ゛はぁぁああ゛と出したことないため息をひとつついて、コンビニを出て行く。 後ろの店員の哀れみの目が痛かった。 兎に角、もう家に帰ろう。 ついてないにもほどがある。 (神様間違えてますよ、もういじめないでいいから、早くどっか行ってください) (だって、今日) (俺、誕生日なんです、よ) 最後にひとつプレゼントで あのこを返してくれませんか? 「贅沢すぎるか・・」 はは、と乾いた笑い声が落ちた。 本当にいまさらだ。今まで散々、自由にやってきた奴への報いとして妥当だ。 ふう、と息をついて家の鍵を開ける。 彼女が来てくれてたときは家の中も明かりがついて明るかったのに、なんてまた彼女を思い出している自分に呆れた。 カチリと電気をつけ「ハッピーバースデー!!」 「‥‥は?」 白い蛍光灯の光に照らされて現れた彼女はまるで天使のように俺の目に映って、 体中の血液がドクドクと音を立て再生していくような感覚に囚われる。 「お誕生日、おめでとう!」 えへへと喜ぶ彼女の頭にはパーティーグッズの例の尖った帽子。 オレンジとピンクがぐるぐると巻かれているような柄に目がチカチカする。 部屋を見渡せば、手書きで「お誕生日おめでとう」と書かれた垂幕やら、 幼稚園児が作るような紙花、折り紙の輪っか。 「・・・・・これは、すごい、」 「でしょ!?」 「いまどき、幼稚園児でもこれは無いだろ・・」 「そっち!?」 もう、と怒った口調で、でもとっても嬉しそうに彼女が笑って、 ガサゴソと何かを探してはい!と満面の笑みで差し出した。 「・・え、つけんの・・?」 「当たり前!今日の主役でしょ」 俺の手には彼女と色違いの例の帽子。 ブルーとイエローのコントラストにぐるぐると目を回され、しぶしぶ頭につけた。 「えへへ、こないだ食事に行こうって言ってきた時は焦ったよぉ、 一ヶ月前くらいから計画してたからね〜。あ、そうだ、今日ケーキもあるんだけど、あれ?」 不思議そうにしゃがみ込んだ俺を見る彼女。 立ち上がろうにも立てない、だって、こんな (神様、) (‥ほんとに、) 「ん、」 「?」 「ほんとに、嬉しい、」 「えへへ、よかった!」 ぎゅっと彼女の腕が首に回って、久々の彼女の優しい感覚に今までの疲れやら不満やらが溶けていくような気がした。 ぎゅうっと力を込めて握り返すと、対抗するようにまた彼女の力も強くなり、それを繰り返し、ふたりで笑う。 キスしようと顔を下に向ければチカチカと眩しい帽子が目線を遮って、またふたりして笑ってしまった。 さぁ始めようか、君と馬鹿みたいにはしゃぐ誕生日パーティーを 夜はまだまだ長いんだから! プレゼント? そりゃ愛しかないでしょう!なぁんて、な e.(20090614 aco) [アンハッピーバースデイ] サイト2周年を記念して感謝の気持ちを込めてフリー小説!(無期限!) ちょっと遅くなっちゃったけど気にしちゃダメです(本当は5月24日) 去年ちょっと危ない内容だったので今年はバカみたいに楽しくしてみようかと・・思ったんです・・!! さ、さあ貰え今貰え!そうじゃなきゃ、な、泣いちゃうんだからね! とととにかく、今このへぼサイトを見てくださってる皆さん、日頃お世話になってる皆さん、 ほんとにほんとにありがとうございます!アコってばしあわせなんです!(テレテレ) 今後更新頻度が減ってしまうこともあるかと思いますが、 このサイトはけっこう私にとって大切な場所(出島)なので、出来る限り続けるつもりでいます。 そんなわけで、これからもよろしくお願いしますっ○┓ぺこ DEAR EVERYONE THANK YOU 2nd ANNIVERSARY & LOTS LOVELOVEVLOVE!!!!! |