「あ、」


玄関のドアにもたれ掛かる長身。
見慣れた猫背は寒さに首をすくめつつ白い息を吐いていた。


「ふしんしゃ!」
「新年初めての挨拶がそれか」
「・・あけまして」
「・・・・・おめでと」


困ったように視線を泳がす彼に助け舟は出さない。
わざと、目を伏せて怒ってることをアピールしてみる。

(自分でも意地悪ってわかってる、けど)


「ごめんな?」
「・・・・なにが」
「いやだから」
「あけましておめでとうメール返さなかったこと?それとも2009年に入ってからすでに10日経ったこと?」

「両方」


申し訳なさそうに呟いた彼の言葉に思わず笑ってしまいそうになる。
思わず、本当はもう怒ってないよって言いたくなる。
けどまあ、私だって寂しかったんだし。ねぇ。


「ぜーったい許さない」
「!」
「・・・・と思ったんだけど、ねぇ。」

いつ来てくれるのかな
早く来ないかなって待ってたら
怒ってるのも忘れちゃったよ


「・・・ごめん、今年も、宜しくな」


ぎゅっと私の手を握りしめながら鼻を赤くして笑う彼。
そんな笑顔見せられたら、頷くしかないじゃない。

「あたしってほんと出来た彼女だなあ」
「ほんとそうだね」
「ちょっと!もうちょっと感情こめて言いなさいよ!」


今年も宜しく
マイダーリン!



e. [明けてから10日後の朝の風景]